平等院と満開の藤の花
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2021.4.23
平等院では、毎年4月中旬頃になると境内にある藤の花が開花し始めます。つる性の植物なので満開の時には長さ130cmほどまで長く垂れ下がり、上品なふじ色のカーテンとなって平等院を彩ります。今年は例年よりも早い開花のようです。
平等院の見どころはこちら
宇治市銘木百選の「ふじ」
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正門(表門)を抜けると参道の先にふじ棚が広がっているのが見えます。緑の中に映えるふじ色の花が幻想的な雰囲気を作り出し、ぶどう畑のような光景にも見えます。
ふじ棚の前にはネオンピンクといえる色鮮やかなツツジが咲いていて、白さ際立つツツジとの素晴らしいコントラストで境内を華やかに彩っています。
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観賞価値が高い藤の花は、眺めているだけで癒される神秘的な景色です。
小さな花びらが集まり大きな花房となって豪華な雰囲気になっています。風に揺れる姿がとても優雅です。
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藤の花は、枕草子には「めでたきもの」と記述され、万葉集にも藤の花を歌ったものが多数あり、昔から日本人に親しまれていた花なのですね。
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藤の花は日本古来の花として親しまれています。開花時期は4月中旬から5月中旬です。
平安時代からふじ色はとても高貴な色として愛されていたそうで、派手すぎない柔らかいふじ色が平等院の壮麗な姿とよく合います。
平等院の【だるま藤】
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表門前にあるだるま藤です。藤の中では開花の早い品種のようです。
棚の上には、ぶどうの実のように咲いている藤の花が満開となってゴージャスな雰囲気です。
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明るい陽射しに照らされた藤の花が華やかで風に揺れる姿がエレガント、とても美しい景色です。
これから鳳凰堂へ拝観に行く人も帰る人も皆さん立ち寄り観賞され、だるま藤の前はとても賑やかで大人気の撮影スポットになっています。
鳳凰堂と浄土庭園とツツジ
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平等院の庭園は極楽浄土を再現したとされる平安時代の代表的な浄土庭園様式です。阿字池には高尚で気品ある鳳凰堂の姿が反映され、神秘的な光景が広がっています。
鳳凰堂と言われるように翼を広げた気高い鳳凰の姿に見えますね。屋根の上には対になった黄金の鳳凰が輝いています。
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庭園の周りには温かい季節になると花が咲き始め、春夏秋冬で違った景色が楽しめます。
春はソメイヨシノや枝垂れ桜が豪華にしだれ咲き、桜が散った後には癒しのカラーである藤の花や、ビビッドカラーなツツジが境内を華やかにします。秋には紅葉が楽しめます。
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阿字池に架かる橋を渡って、鳳凰堂の中央に安置されている本尊の阿弥陀如来坐像像を拝観します。日本を代表する仏像作家である定朝の遺作で、平安時代後期に納められた大変貴重な仏像なのです。
内部は、金で装飾された豪華な天蓋が輝き、また見て楽しめる雲中供養菩薩像が壁一面に掲げられ、当時の華やかさを偲ぶことができます。
ふじ色のシャワーのようです
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平等院を覆うように降りそそぐふじ色のシャワーのような光景です。
ふじ棚に垂れ下がる豪華な満開のしだれ藤です。平安貴族たちもこの景色を楽しんでいたのかもしれませんね。
昼間の景色も綺麗ですが、早朝や夕暮れに映える藤の花の景色もまた格別なのでしょう。
その他平等院の見どころはこちら
平等院へのアクセス
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JR宇治駅から徒歩15分、京阪線宇治駅から徒歩10分です。
平等院専用の駐車場はないようですが、近くにパーキングがあります。
平等院周辺のお店情報はこちら
京都府宇治市宇治蓮華116